施設の中は危険だらけ
本日もお疲れ様です、読特のえーるです。
福祉職向けにビジネス書の紹介をしています。
高齢者施設で勤務経験のある職員さんには「あるある」と理解していただけると思いますが、施設内には危険が沢山あります。
誤薬、離園、予期せぬ転倒・転落、介助中の怪我(利用者・職員含む)などなど…
そのたびに報告書を書いて対策を考えているにも関わらず、ほぼ毎日のようにどこかのフロア・ユニットでヒヤリや事故が起こる。
あるいは、同じ利用者さんで同じ事故(例えば転倒事故)が続く…なんてことを経験したことがあるかもしれません。
その対策は正しいのか?
ヒヤリや事故の際には報告書を必ず作成し、対策や予防策を考えます。
この対策部分、本当に正しい対策になっていますか?
ということが書かれているのが『無くならないミスの無くし方』という書籍です。
例えば転倒事故の場合、「こまめに訪室する」「注意してみる」を対策としていませんか?
なぜこの表現がダメなのか、次の章で説明していきます。
この書籍をオススメしたい人
施設運営者・リーダーなど役職のある職員
介護に携わる全ての職員
「安全意識の徹底」って何?
もし、「安全意識の徹底」と対策に書かれていたら…
何をイメージしますか?
私は、恥ずかしながら何もイメージできませんでした。
「気をつけなきゃなあ…」くらいにしか受け取ることができないと思います。
これは書籍でいうところの「スローガン」に当てはまるもので、「具体性のない指示」または「内面に訴えかけるマネジメント」になります。
ミスの原因を一人ひとりの能力・性格・心構えの問題だ、と捉えていませんか?
それは大きな誤りです。
どんなにスローガンを唱えても、他人の意識を変えたり性格を変えることにはつながりません。
「他人の意識は変えられない」ことは他の書籍でも出てくるので覚えておいてください。
人間の行動原理
なぜヒヤリや事故が起こるのか。
なぜ決められた行動ができないのか。
大前提として理解しておかなければいけないのは
「人間は『結果にメリットのある行動』を選択する」
無くならないミスの無くし方
ということです。
手間や時間がかかる → 行動のハードルが高いので、やらない
手っ取り早くできる → 行動のハードルが低いので、やる
例えば、介護現場では腰痛になる職員が多いですよね。
腰痛ベルトをしなさいと言われても「高いから買わない」と考えたり、腰を痛めない介助方法があっても「持ち上げたほうが早いから(正しい方法は)やらない」と考える職員は多いと思います。
これが人間の行動原理です。
正しい方法 < 悪いけれど結果にメリット(時間短縮できるなど)のある方法
を取ってしまうということは頭に入れておいて下さい。
組織行動セーフティマネジメント
これは行動分析学に基づいた「いつ・誰が・誰に対して・どこでやっても」同じような効果が得られる危機管理の手法のことを指します。(BBSとも略す)
行動科学マネジメントの特徴として「行動にフォーカス(着目)する」という考え方があります。
BBSを考える際には、以下の3点を踏まえて対策を立てる必要があります。
- 人間の意識ではなく「行動そのもの」に着目する
- ヒヤリや事故に結びつく行動(危険行動)を望ましい行動(安全行動)に変える
- 安全行動を定着させ、習慣化する仕組みをつくる
それぞれの詳細については実際に書籍で確かめてもらいたいので、説明はここまで。
おわりに
行動のメカニズムや仕組みづくりについても記載があるのでぜひ読み込んでほしい1冊です。
対策の立て方を身につけて、報告書を書く回数を減らしましょう!
以上、読特のえーるでした。
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