本日もお疲れ様です、読特のえーるです。
福祉職向けにビジネス書の紹介をしています。
介護職員に求めるものは何?
現場で介護をしていると、利用者さんの介護以外にもやらなければならないことが沢山ありますよね。
掃除や洗濯はもちろん、施設では毎月の行事を考えて実施したり研修の準備をしたり…
報告書や日々の記録など書類仕事、場合によっては時間外で買い出しに行ったり。
報告書などの必要な業務以外で介護職員が介護業務のみの現場に、私はいまだ巡り合えていません。
人員配置の問題など個人では容易に動かせない問題はさておき、仕事をしているなかで「やらされている感」があることはありませんか?
一体なぜなのでしょうか。
それは単に職員の業務が忙しすぎるのではないか?
…これは私が実際に現場で仕事をしていて感じたことです。
余裕がなければ楽しいことなんて思いつかないじゃないですか。
その業務、本当に介護の担い手がやらなければならないことですか?
本当に現場の業務量を把握できていますか?
同じように感じている人がどれだけいるかは分かりませんが、業務量について疑問をもっている人にオススメするのがこの書籍です。
先に言っておきたいのですが、この思考はより多くの仕事をこなすためのものではありません。
今までのやり方を変えるものであり、正しいことをやり遂げる技術であるということです。
この書籍をオススメしたい人
仕事が終わらない人
安請け合いしてしまう人
何かをやり遂げたい人
エネルギーの使い方
エッセンシャル思考では、エネルギーの使いどころに注目しています。
その使い方は八方美人ではなく一点集中。
いちばん重要なものごとに対してエネルギーを集中し、最大の成果をあげることです。
施設経営者や利用者家族が介護職員にいちばん求めるものは何でしょうか?
それにエネルギーを使えているでしょうか。
また、問題発生時の対応でも同じことがいえます。
「どの問題がいちばん重要なのか」を見極めて対応できていますか?
ぜひ自分ごととして考えて頂きたいです。
何もかもやることは不可能
職場でイエスマンになっている人はいませんか?
頼まれごとをして断れずに引き受けてしまう…なんてこと、結構ありますよね。
結果、本来やるべき業務が終わらなくなってしまった、といった本末転倒な事態が起こることもあります。
稀にイエスマンでも業務をこなせるすごい人はいるのですが、普通の人はこなせないので真似をしないようにしましょう。
何もかもを自分だけでやることは不可能です。
何かを選ぶ、という行動は同時に「何かの選択肢を捨てる」という行動なのです。
著者はピーター・ドラッカーの言葉を引用し
できる人は『ノー』と言う。『これは自分の仕事ではない』と言えるのだ
Living in More Than One World: How Peter Drucker’s Wisdom Can Inspire and Transform Your Life
と述べています。
より少なく、しかしより良く
エッセンシャル思考について考える上で「より少なく、しかしより良く」は重要な考え方です。
これだけはいつも心に留めておきましょう。
具体的には
- 業務内容を見極め、必要のない業務を捨てることでエネルギーの分散を抑える(より少なく)
- 重要な業務や問題に集中し改善する(より良く)
ということです。
これを身につけるためにはまず小さなことから練習し、徐々にステップアップするとよいと思います。
考え方を変えていくことは容易ではありませんが、不可能ではないので少しずつ進めていきましょう。
見極めるための方法や業務の捨て方についても書籍に記載があるので確認してみて下さいね。
福祉に役立てるために
これは私が相談員の時に体験したことですが、ある施設ではショートステイの送迎表を1週間ごとにすべて手打ちでExcelに打ち込んでいました。
1度の作業に早くても2~3時間かかり、日々の業務を圧迫していたのです。
しかし、当時同僚だった相談員は「これが当たり前の業務だ」と思っていたそうです。
私は学生の時にExcel VBAを少しかじっていたのでこの状況に驚愕し、もっと早く終わらせることができると同僚に伝えました。
プログラムをイチから組み立て、3か月ほど掛かってしまいましたがボタンひとつで入力や送迎表を作成できるようにし、1度の作業時間を1時間にまで抑えることができました。
このプラグラムを作る間、他の業務は同僚に協力をあおぎ業務量を減らしてもらいました。
恐らく通常業務+プログラム作成をしていたらいつまでも完成しなかったことでしょう。
ありがとう、同僚。
私がここで言いたいのは「当たり前の業務をもう一度見直してほしい」ということです。
本当に介護職員がおこなうべきか?
本当に相談員がおこなうべきか?
本当にケアマネがおこなうべきか?
ぜひ施設ないし事業所内で検討していただければと思います。
以上、読特のえーるでした。
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